歩行は一般の人であれば、老若男女を問わず、誰しもが毎日5,000歩以上、時間に直すと50分以上は行っている活動の基本です。しかし、通常、歩行は生活の中の移動手段として無意識に行われているに過ぎず、その歩行運動のほとんどは、脚と腕の動きが最低限程度の省エネレベル(3METs:安静時のエネルギー消費量を1とした時の3倍程度のエネルギーを消費する運動の強さ)で行われています。その一歩幅は身長(脚の長さ)によって異なるとは思いますが、40cm程度だと思われます。また、歩行種類はその速度において、「普通」か「速い(急ぎ)」かの2通り程度かと思われますが、やはりその速度は、よほどせっかちか、時間に追われ続けている人でもない限り普通にゆっくりと歩いている場合がほとんどでありましょう。
『欧米では中高年の年齢層の方でも、格好よく、颯爽と、センスのいい歩き方で歩いている人が多く見かけられますが、日本人の中高年層では、姿勢も歩き方もそういった印象を与えるような歩き方をしている人を見かけることは少ないですね』(宮地先生談)
つまり、日本人の多くは、「自分の歩き方、姿勢、格好」にほとんど無関心で、日常でほとんど意識されていないため、その歩きの質が洗練されていないのです。素敵で格好がよく、センスの良い歩きといえば、ファッションショーのモデルさんとかの歩き方などが思い浮かびますが、その要素をピックアップしてみると以下のポイントがあげられるのではないかと思われます。


以上、1~5の要素をふまえただけでも歩きの消費エネルギーは高まりますが、断続的ではあっても、誰もが1日平均で、60~70分も行っている、歩き(ウォーキング)という基本運動をすべての活動の基本中の基本と捉え、一定期間、1日1~数回、短時間でも意識して行っていれば、ある段階から自然に無意識にシフトして(錐体路系運動→錐体外路系運動)、特に意識しなくても良い歩きが身につくものと考えます。
「メタボビクス・ウォーク」は、「歩き」にちょっとした工夫や動きを加えることで、見た目にも素敵でセンスが良く印象付けられ、かつ、より、多くの筋が歩行に関与することを意図することで、ふだんの歩行ではあまり使われていない、身体中心部、しかも大筋群である腹背部、骨盤、股関節周辺部の筋が歩行で使われるように組み立てましたので、身体中心部の代謝も促進され、歩行の消費エネルギーも高まり、メタボリックシンドローム予防・改善、内臓脂肪の減少に効果的です。
「メタボビクス・ウォーク」では、「歩き」を、以下の3つに分けて捉えています。
頭にインプットして、上手に、無理なく日常生活の中に取り入れましょう!

- 通常の日常での歩く時の意識すべき歩き方と方法
1~4のポイントをおさえることで、4~4.5METsの運動強度となり、普通歩行(3~3.5METs)より30%程多くのエネルギーを使います

- 日常での歩きの中で、見た感じに違和感のない程度の歩き方で行える、
内臓脂肪燃焼に効果的な歩き方
1~4のポイントをおさえることで、5METsの運動強度となり、減量に有効です

- 通常の歩きの中では見た感じなどでできないけれど、周りに人がいなかったり、急いでいない時、歩く時間をとって散歩する時などに意識して行える、内臓脂肪燃焼に効果的な、エクササイズとして歩きながら行う、10の歩き方
- 1. 1.5レッグレイズウォーク
- 2. クロスオーバーウォーク
- 3. ヒップフォワードウォーク
- 4. ウエストしぼりウォーク
- 5. ヒップスイングフラウォーク
- 6. お腹スクランブルウォーク
- 7. ストンピングウォーク
- 8. 肘打ちウォーク
- 9. ストックウォーク
- 10. ツイストウォーク
メタボビクス・ウォークを安全に実施するために、以下の点に注意しましょう。
- 靴は硬い革靴やハイヒールではなく、歩きやすく緩衝機能の高いものを履きましょう
- 足や腰に痛みのあるとき、体調の優れないときには無理をしないようにしましょう
- 真夏の炎天下では、無理に屋外で歩かないようにしましょう
- 歩く前後には、足首を回す、軽く膝を屈伸する、軽く伸脚するなど短くても良いので軽い準備・整理運動をしましょう
| 制作 : | メタボリックシンドローム撲滅委員会 |
| 監修 : | 宮地 元彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所 運動ガイドラインプロジェクトリーダー) 斉藤 満(社団法人日本ウオーキング協会 事業局長) |
| 原案 : | 菅野 隆(日本健康運動研究所 代表) |







